法事・お寺・お墓・家系

2008年05月21日


そうそう、わたしは、自分史を書こうとブログという場所にやって来た。
初心忘れるべからず。
初心に還ろう。


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平成20年5月12日火曜日。
香川町の称讃寺で法事を持った。

祖父の50回忌と併せて、祖母22回忌ながら一緒にお参りをした。

集まったのはごくごく最小限の、祖父祖母のこどもたち。

私の父、77歳。父の姉ふたり、79歳と81歳。
79歳の叔母の旦那様、義理の叔父。

わたしの生まれ故郷は広島県尾道市。
姉ふたりは嫁いで尾道から離れ、
この度も79歳の叔母は尾道のとなりまちの三原市から。
81歳の叔母は、栃木県から遠路はるばる来県。

前日に高松入りをしてホテルに宿泊。
シンボルタワー29階の中村孝明で会食をした。
6時半からの平均年齢がかなり高い会食は、
ゆったりとした時間が流れていた。

3人の姉弟が一堂に会するのは、数10年ぶりとなる。

81歳の叔母は、静かに話す。
「今回、ね。こうやって3人が揃ってお参りするのも、もう最後だと思って・・」

77歳の父は
「100歳までみんなで生きて、また、集まろう・・」と。

長女である81歳の叔母は私の手を取って、しっかりと眼を見つめて話す。
「これからは、◎◎ちゃん、あんたが△△家を守ることになるんよ。よろしくね。」

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40歳を過ぎた頃から、いろいろな葬儀や法事に出かけることが多くなり、
それまで深く考えたことがなかった事柄・・・
「家」ということ、お墓の存在、法事の意味、家族、家系、お寺さんって?・・・・
そんなことが避けて通れない、特別のものではなくごく普通にきちんと向き合うべき事柄なんだと、少しづつ思うようになって行った。

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わたしの△△家のお墓は尾道にあった。
それを昨年、父の決断で、すべてこの香川の地に移した。
お寺さんも、それまでは父がこの香川に住み着いた最初のまち、丸亀のお寺さんにお願いしていたけれど、香川町のお寺さんを紹介いただき、縁あって檀家となった。

つまり、私が生まれた尾道には、ひとつの「△△家」の実家もお墓がなくなった。

さぬきの地を第2のふるさととして、私の父と私が住み着き、
結婚をして子供ができ、さぬきの「△△家」がはじまった。

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私には二つ年上の兄がいて、二人兄弟だった。
富山に住んでいたその兄は、9年前に4年間に亘って手術と入退院を繰り返し、
直腸癌が線維癌として全身に転移し亡くなった。

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生まれ育った土地ではない地での暮らし。
兄弟も今はなく、父とふたり。
もちろん妻がいてこどもがふたり、元気に暮らしている。
特別な境遇でもないけれど、孤独感がいつも心の片隅にあって、
「旅の途中の浮遊感」をいつも感じている。

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シンボルタワーの29階、夕方6時半。
海と山と島の中に沈む夕陽のあまりの美しさに、
77歳、79歳、81歳の年老いた姉弟は感嘆しはしゃぎ、
同席したわたしの20歳の娘と写真を撮り合った。

81歳の長女の叔母は生ビールを2杯。元気である。
自分の親の50回忌のお参りができるということは・・
祖父は早くに亡くなったということになる。

昭和30年代初頭では珍しかった交通事故とのこと。
その当時の話を父がはじめる。
細かく話をして、私も初めて聞く具体的なその事故の様子だったけれど、
ふたりの叔母も、「へぇ、そうだったん。そんなの初めて聞いたなぁ・・」などなど。
思いがけない話題、3人の姉弟は、きっと、久しぶりに子供の頃の心持ちに還っていたのでは・・。

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法事の当日、お寺さんでの参りが終わってお昼頃外を見ると、あいにくの雨。
栗林公園と屋島に行って写真を撮ろうと意気込んでいた写真マニアの父は少しがっかりな様子だった。

お寺さんから屋島に向かい、屋島山上まで行くも、
足元も少しおぼつかなくなりはじめた77、79、81歳の集団。
雨の中を展望台までも歩くことはならず、休憩所で座って一服。

お昼ごはんをわら屋の釜上げを食して、高松駅へ。

控え目に手を握ったり、肩を抱き合って、お別れ。

遠路、さぬきまでやって来た79歳の叔母夫婦と81歳の叔母と、
そして「スープの冷めない距離」に住む77歳の父と過ごした緩やかな一泊二日。

そうなんだな。△△家は、わたしが・・・・。
そういうことに、なるんだな。

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来月51歳を迎えるわたしは、
お寺さんと地域のひとたちの結びつき。
地の縁と血の繫がり。
仏事の持つ意味。
お参りをするということ。

そういうことに、この年でやっと気付き始め知り始めたばかり。

自分史としての、平成20年5月12日。

法事の場所の写真を、お寺のホームページから借用させていただきました。
称讃寺 http://www.syousanji.com/ 
父が入っている老人会の会長さんのご紹介で決めたお寺さんでしたが、
ホームページでいろいろな活動を紹介しているお寺さんでした。
これもご縁だなぁと。
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Posted by rookie1957@ストリート at 07:19│Comments(0)
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